届け!SNS!

酒と音楽が好きなゲイのブログ

ゲイと東京

池袋の季節は冬、色は灰色。出口を選ばなければ誰かに左手を引っ張られて、気がついたら風俗街にいる。そんな街で、どこにでもあるような恋愛をしていたのは22歳の頃。過去を思い出すことはとても憂鬱になる。最初にも最後にも生きてきて、おれが22歳の温度を保っていたのはあの1年間しかないから。残念だけど、切り捨てたくても切り捨てられない。泣いて忘れて喚いてそれで終わりならいいけれど、今でもたまに脳の裏から出てくる背が低くて肌が汚い元彼氏の残像はどうしようもなく22歳のおれが犯した過失で、透明でも水色でも赤色でもなく、灰色のあの空と、池袋にある男2人が寝そべることが裕にできるネットカフェ。2人で住む家を決めようと探していた時間から数分後にはそこいらでおれたちはセックスをする。不意に君が東京タワーを見に行こうと言ったので見に言った12月24日のことをカメラロールに残ってある写真で思い出す。これは事件でも自慢でもなんでもなく、ただ毎日が消費されていた記録という事実だった。

下北沢の夜は金色。駅がまだ新しくなってからそんなに経っていないころ、駅のホームでベンチに座り、激しくゲロを吐いたことを思い出す。ライブハウスのブッキングの人はおれのギターにどうやら不満があるらしく、やたらと長い清算の時間を取る。それが嫌でたまらなくて、いつも下唇を噛むんだ、おれは。ビレッジバンガードの小さな道をギターを背負ったおれは肩をすぼめてなんとか横切ることができる。今大地震がきたら、この場でギターと死ぬんだと思うと、それはとても愉快で、なんだか心があったかくなった。いつか死ぬときがきたら、その時はギターと一緒がいい。東京にいるから、地震なんてものに今日も怯えて、残高はいつも240円とかで、2000円+1Dとかの安いライブハウスで友達のライブを見る。帰りに服が臭くなるのはタバコのせい。

そういえば、忘れていたのが新宿のこと。誰しもが特別な街と揶揄するもんだから、語るに語れない。ただ、唯一言えるとすればそこは泥水すすって生きてる連中のたまり場で、優しい大人は1人もいなかった。眠らない街、たのめーるのネオンが輝く西の方、ハル東京の米粒みたいな変な建物、歌舞伎町の門の電球が何個かいつも消えかけていて、誰がいつ、この街でその電球を替えているのだろうと疑問に思う。2丁目なんて怖くて行けなかった。だって、自分をゲイと認めるために、誰かに愛されるために通わないと行けないと思っていたから。お金がなくて、サイゼリヤでマグナム1.5mlの白ワインを2人で飲んだ帰りにiPhoneを落として、画面を割ったね。花園神社でキスをしたね、新宿御苑でお弁当食べたね、春の空も夏の熱気も秋の寂しさも冬の轟音も全てが詰まって、全てが汚くて、全てにおいて最悪最低な街新宿は群青色。ゲリラ豪雨でも降ってくれれば、そいつは結構。東京事変と一緒に飲み干せるよね。今ならさ。