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酒と音楽が好きなゲイのブログ

薄ら氷心中

ビルとビルの間を、冬の風は容赦なく通り過ぎる。冬の喫煙所は一瞬の風景。みんなすぐに部屋に戻ってしまう。埃っぽくなった髪の毛を今日も洗う。誰かに見られるわけでもなく、自分を保つための最小限の所作は、ただ死ぬことから逃げているだけな気もする。田崎つくるの悲哀。泡を落とさなかった台所のスポンジ。上手に作れなかったカラーライス。毎日会社の帰りに一本だけ買うストロングゼロ。椎名林檎の新譜。white ash のコピー。土色のギター。全ては自分の一部で、誰にも知られたくないことで、誰かに知ってもらいたいことで、共有したいことの全てだった。いつもギリギリのところで、お前じゃない、お前じゃないって言われ続けてきた人生のどこに夢が詰まっていたのか思い出せない。東京も大阪も同じ日本だよねって言われたらそれまでだし、そう言い聞かせてる気がする。何が幸福で何がそうじゃないのかがわからないからただ何となく毎日会社には行っている。誰もおれがトイレで寝ていることなんて知らない。そんな毎日がただ何となく浪費されている。

1人だった。ずっと。とにかく1人だった。悲しさと寂しさは人に癒しを求めるから深く抉られるように心に響く。真っ白な部屋で水面を眺めるだけのような日々だけがある。そこから抜け出すために休日はなるべく外に出るようにした。ユニクロのスラックスはなんとなく買えなかった。かといって新しいスーツを買えるわけでもなかった。バラエティ番組に出ている人は笑っていた。なんで、どうして、笑うことができるのだろうというつまらない疑問だけが溢れては言葉にならなくて体の中で死んでいく。あの日の自分は正しく歩くことができて、向こう岸に渡れたのかな、なんて過去を振り返るなんて自分らしくもない。さよならしたい男が何人もいる。さよならしたい音楽がいくつかある。おれは今どこにいて、何を見て、何をしているのか。朝6:00の眩しい光だけが、瞼を透かして抱きしめてくれる。ありがとうとかさよならとか簡単に使うべきではないのかもしれないね。言葉はとっくに廃れていたんだ。