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酒と音楽が好きなゲイのブログ

続・ゲイマッサージ店の面接を受けた話

カーテンを開けて入ってきたメガネの男の子はユニクロイトーヨーカドーの服を混ぜたようなダサさを醸し出していた。髪の毛はボサボサで大きな紺色のトートバッグを持っていた。タンクトップの男に促されるようにして、その子はおれの隣に座った。いいかげん、店長らしきアメフト選手系男が帰ってこないことにしびれを切らしたのか、タンクトップ男がおれとメガネの子に住所や連絡先を記載するバイト先に登録する用紙を渡してきた。おれはまだ働くとは言っていないのだが… と思ったが、拒否権、というよりそもそもこういった場所に面接にくること=採用なのであると感じた。用紙にそのまま住所や本名を書くのは怖いし、まずいと思ったので嫌いな男の名前”高野”と書いて、住所はデタラメに書いた。用紙には性的指向を書くところがあって、おれは同性に丸をつけたけど、隣のメガネの子はノンケに丸をしていた。ノンケでもこういうところに来るのか。どうやって募集を見つけたのだと、気になっていた。
 いつまで待っても、店長らしき男が出てこない(施術中?)ので、おれの方もしびれを切らして、あの、もう面接辞退したいので帰っていいですか?と打って出た。タンクトップ男はきょとんとした顔だったので、荷物を持って部屋を出た。メガネをかけた男の子が1人になる恐怖?のような表情を浮かべた顔をしていたけれど、御構い無しにカーテンを開けた。カーテンを開けて玄関に向かうと、店長らしき男と鉢合わせた。施術が終わったらしい。面接はいいんですか?と言われたけど、大丈夫です。帰りますとだけ言って部屋を出た。帰り際にあなたは日本人ですか?と聞いたけれど、ハーフですと答えられた。絶対ハーフじゃないと思うんだけどな。
 外に出ると先ほどよりも温度が高くなっていて、夏を感じる程だった。暗い路地を抜け出して駅に向かった。

3週間くらい経った後に、そのマッサージ店のホームページを覗いてみるとホームページそのものが存在していなかった。このことから、退去したものと思われる。この後のおれはというと、マッサージ店で働くことを選ばず、週4の健全なバイトをして人間関係に転んで、ストレスフルになり救急車で運ばれたり、掲示板で知り合った知らない男とセックスをしたり、友達の彼氏とセックスをしたり、アムカ癖があるメンヘラと付き合って、辛い思いをしたりした。性を仕事にすることは身を切ること。肉が全部なくなって、骨で生きるような経験をするのも悪くはなかったのかもしれないが、今は21世紀。性風俗を生業とすることがどうにもこうにも後ろ向きすぎると感じた。けれど、おれが怖気づいてやめたゲイマッサージの仕事を生業としている人もいるし、もっと危ないところまで手を出している人が世の中には本当にまだいるのだと思うとパラレルワールドのような感覚に陥る。